夏の期間限定商品として人気のようですが、今年は昨年と比べて「もち麦」を倍増し、水溶性食物繊維βグルカン1日分が摂取できるようになっているようです。
吉野家とダイエットは一見かけ離れているように感じます。
しかし、ダイエットに食物繊維は欠かせない栄養分ですので、普段から食物繊維不足を感じている方は、外食をする際の選択肢のひとつに加えることができるかもしれません。
今回は、『麦とろ御膳』シリーズの中でも、血糖値の急上昇を抑える「サラシア牛」を使った『麦とろサラ牛御膳』を食レポしたいと思います。
目次
『麦とろ御膳』のラインナップ
『麦とろ』と名前の付く御膳メニューは以下の3種類があります。
『麦とろサラ牛御膳』:並 690円 大盛 790円
『麦とろ鰻皿御膳』: 890円
「牛皿」と「サラ牛」には大盛がありますが、「鰻皿」には大盛がないようです。
『麦とろ御膳』の栄養成分
『麦とろ御膳』メニューそれぞれの栄養成分を表にまとめました。
麦とろ牛皿御膳 (並盛) |
麦とろサラ牛御膳 (並盛) |
牛丼 (並盛) |
麦とろ鰻皿御膳 | 鰻重 (一枚盛) |
|
---|---|---|---|---|---|
エネルギー(kcal) | 643 | 647 | 652 | 689 | 670 |
タンパク質(g) | 22.5 | 22.6 | 20.2 | 28.4 | 23.7 |
脂質(g) | 18.2 | 18.2 | 20.4 | 16.9 | 15.9 |
炭水化物(g) | 98.3 | 99.1 | 92.8 | 106.7 | 103.7 |
食塩相当量(g) | 4.7 | 4.9 | 2.7 | 5.4 | 2.2 |
比較するために、通常の「牛丼 並盛」と「鰻重 一枚盛」の栄養成分も合わせて掲載しましたが、ほぼ栄養成分は変わりません。
『麦とろ御膳』シリーズの方は、味噌汁や副菜もつくので、その分、塩分などが通常よりも多くなっていると思います。
また、『麦とろサラ牛』は、栄養成分だけを見ると、通常と変わらないものの、体内で糖の分解を抑制し、血糖値の上昇をゆるやかにする「サラシア由来のサラシノール」が配合されています。
血糖値の上昇がゆるやかになると、脂肪がつきにくくなると言われていますので、ダイエット中の方、血糖値が気になる方は、「サラ牛」が使われているメニューを選ばれると良いのではないでしょうか。
『麦とろサラ牛御膳』を実食
実際に『麦とろサラ牛御膳』を食べてみました。
内容は「もち麦ご飯」「サラシア牛皿」「とろろ」「おくらめかぶ」「味噌汁」の5品です。
「もち麦ご飯」で一日分のβグルカン摂取
白飯の上に「もち麦」をのせている感じです。
これは常に同じ量の「もち麦」を提供するために、白飯とは分けて量を計っているからではないかと思います。
そのため、食べる前に「もち麦」と白飯をしっかり混ぜておくと、食べている時の食感も均一に感じられるのではないでしょうか。
「もち麦」には「βグルカン」という水溶性の食物繊維が含まれていて、糖分や脂肪分が吸収されるのを抑えると言われています。
また、腸内の善玉菌を増やす作用もあり、腸内環境を整えてダイエットしやすい身体作りをサポートしてくれます。
お茶碗一杯に、どのくらいの割合で「もち麦」が配合されているのかは分かりませんが、昨年よりも倍に増えており、1日分のβグルカンが摂取できるそうなので、かなり効果が期待できそうです。
「サラシア由来のサラシノール」で血糖値の上昇を抑制
「サラシア由来のサラシノール」が配合されている「サラシア牛皿」
「サラシア由来のサラシノール」が配合されているということで、何か味の違いがあるのかと思いましたが、普通の牛肉と全く変わらない味でした。
味が同じなら、通常の『牛丼』や『牛皿』よりも『サラ牛』を選んだ方が、血糖値の上昇を抑えて脂肪をつきにくくする効果が期待できます。
「とろろ」でむくみ解消
「とろろ」には「ムチン」というネバネバ成分が含まれていて、血糖値の上昇を抑えてくれる働きがあると言われています。
また、カリウムが含まれているため、体内の余分な水分を排出する作用があり、むくみ解消にも効果が期待できます。
「おくらめかぶ」のダブル食物繊維パワー
とろろと同じくネバネバ食材として有名な「おくら」と「めかぶ」を使った副菜で、血糖値と脂肪にアプローチしてくれます。
「おくら」には「ペクチン」とい水溶性の食物繊維が含まれていて、血糖値の急上昇を抑えて脂肪をつきにくくしてくれます。
「めかぶ」には「フコダイン」という水溶性の食物繊維が含まれていてい、体内で脂肪分解酵素の働きを阻害し、脂肪が吸収されるのを防ぐ効果が期待できます。
また、どちらも食物繊維ですので、腸内環境を整える働きももちろんあります。
このように、『麦とろサラ牛御膳』には、血糖値の急上昇を抑えたり、脂肪をつきにくくする食材が多く使われていることが分かります。
さらに、これらにプラスして「味噌汁」が付きますが、味噌には、アミノ酸が豊富に含まれていて代謝を活性化するサポートをしてくれたり、大豆サポニンが腸の働きを正常に戻してくれたり、女性には大豆イソフラボンの効果も期待できます。
全部のせでネバネバパワーアップ
食べ方は人それぞれ好みがあると思いますので、自分の好きな食べ方で食べるとよいと思います。
「とろろ」を「もち麦ごはん」にのせたり。
「おくらめかぶ」ものせると、よりネバネバ感が増します。
「サラ牛」も合わせて全部のせると、一気に牛丼らしい味になります。
食べ方は好みもあるので、ご飯にのせずに別々に食べるという方もいらっしゃると思いますが、この『麦とろ御膳』シリーズについては、全部を合わせて食べたほうが、よりネバネバ感がアップして美味しく感じるのではないかと思います。
組み合わせでよりヘルシーに
今回は『麦とろサラ牛御膳』の「並盛」を食べましたが、かなりお腹いっぱいになりました。
通常の『牛丼 並盛』では満足できないという方も、この『麦とろ御膳』シリーズは、「とろろ」や「おくらめかぶ」などの副菜もつきますので満足できると思います。
しかし一方で、女性には量が多いと感じる方もいるかもしれませんし、ダイエット中の方で、特に糖質制限ダイエットをしている方は、ご飯の量が多いと感じるのではないでしょうか。
いくら血糖値の上昇を抑えてくれて、腸内環境を整えてくれるという効果が期待できるとしても、お茶碗一杯のご飯はかなりの糖質量になります。
通常メニューには『サラシアコモサラセット』という、サラシア牛丼が小盛になるセットがありますので、『麦とろ御膳』シリーズも、ご飯の量を少なめにすることができるようになると、ダイエットを意識する人たちも注文しやすいのではないかと感じました。
また、「とろろ」は季節限定ではありますが、単品メニューで注文できます。
そのため、例えば、『サラシアコモサラセット』+「とろろ」という注文をして、ご飯の量を減らす工夫ができると思います。
ただ、「おくらめかぶ」は単品では注文できないようなので、「おくらめかぶ」も単品メニューに加わるとさらに腸内環境へもアプローチできるメニューの組み合わせが色々と考えられるだろうにと感じました。
吉野家の『麦とろサラ牛御膳』は、ダイエッターの人が食べても安心とは言えませんが、食物繊維を多く含んでいて、サラシア牛も使われていますので、通常のメニューを注文するよりは、少し罪悪感が少なく食べることができそうです。
糖質制限中のご褒美的な食事として考えておいた方が良いと感じました。
「ムチン(mucin)」について
学術秘書
池田です。
「ムチン」は、動物性の成分です。
http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/mucin/
日本国内でのみ拡散していた、「植物や発酵食品にムチンが含まれる」とする
誤報の(「学術情報」という意味で)大本になっていた情報が訂正されました。
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食品工業辞典(日本食品工業学会編、昭和54年第1版発行)の用語解説の訂正に
ついて
2020/07/30
当学会の前身である日本食品工業学会編の食品工業辞典の「むちん[ムチン]
」の解説について、現在の科学的知見から以下のように訂正させて頂きます。
(訂正前)
動植物より分泌される粘質物一般をいう。
(訂正後)
動物より分泌される粘質物一般をいう。
https://jsfst.smoosy.atlas.jp/ja/notices/71
では。
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代表取締役社長 池田剛士(携帯:09041347927)
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