どちらかというと健康のためというイメージの玄米でしたが、先日、出産後も以前と変わらぬスタイルを維持している女優の榮倉奈々さんが「寝かせ玄米」がおすすめと発言された事で、ダイエットにも良いのではないかと最近再び注目を浴びています。
榮倉奈々さんおススメの「寝かせ玄米」とはどういうものなのでしょうか?
普通の玄米とはどのような違いがあるのでしょうか?
実際に「寝かせ玄米」を食べた感想などと合わせてまとめてみたいと思います。
目次
「玄米」はパーフェクトフード
「寝かせ玄米」の調査の前に、まず、玄米と白米の違いについて確認しておきましょう。
「玄米」と「白米」の違い
「白米」:「玄米」からさらに糠(ぬか)や胚芽も取り除いた胚乳だけの状態のお米
糠(ぬか)や胚芽には、ビタミン類やミネラル、食物繊維など豊富な栄養素が詰まっています。
それらを取り除いた白米は、そのほとんどが炭水化物ですが、糠(ぬか)や胚芽を残した玄米は、炭水化物だけでなくビタミン類、ミネラル、食物繊維などの栄養素を含んでいるため、玄米は白米に比べて栄養価が高いと言われている訳です。
このことから、玄米は「パーフェクトフード」とも呼ばれています。
野菜不足の食生活で栄養バランスが偏っているという現代人は、ビタミンやミネラル、食物繊維や酵素などを、サプリやスムージーなどの健康食品で補おうとしていますが、玄米はそのような健康食品に頼ることなく、不足しがちな栄養素を摂取することができるのです。
玄米は白米とサラダを一緒に食べているようなもの
玄米は白米よりも栄養成分が豊富と書きましたが、それは白米とサラダを一緒に食べているようなものと考えて頂くと分かりやすいかもしれません。
そこで実際に、玄米の栄養成分と、白米にサラダをプラスした栄養成分を比較して確認してみたいと思います。
比べるのは、炊飯した白米と玄米(各100g)、そしてサラダです。
サラダについては、栄養成分がホームページに細かく掲載されていたマクドナルドのサイドサラダを使いました。
白米(炊飯) 100g |
マクドナルド サイドサラダ 60g |
白米100g+ マクドナルドサイドサラダ60g |
玄米(炊飯) 100g |
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エネルギー(kcal) | 168 | 10 | 178 | 165 |
炭水化物(g) | 37.1 | 2.3 | 39.4 | 35.6 |
たんぱく質(g) | 2.5 | 0.5 | 3.0 | 2.8 |
脂質(g) | 0.3 | 0.1 | 0.4 | 1.0 |
食物繊維(g) | 0.3 | 0.8 | 1.1 | 1.4 |
ナトリウム(mg) | 1.0 | 1.0 | 2.0 | 1.0 |
カリウム(mg) | 29 | 137 | 166 | 95 |
カルシウム(mg) | 3 | 13 | 16 | 7 |
リン(mg) | 34 | 16 | 50 | 130 |
鉄(mg) | 0.1 | 0.2 | 0.3 | 0.6 |
ビタミンB1(mg) | 0.02 | 0.03 | 0.05 | 0.16 |
ビタミンB2(mg) | 0.01 | 0.02 | 0.03 | 0.02 |
ナイアシン | 0.2 | 0.2 | 0.4 | 2.9 |
ビタミンC(mg) | 0 | 15 | 15 | 0 |
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂) 日本マクドナルド
まず、一番左の列の白米(炊飯)と一番右の列の玄米(炊飯)を比べてみて下さい。
カロリーや炭水化物の量はほとんど変わりませんが、食物繊維の量は玄米は白米の5倍近くになります。
カリウムやカルシウム、鉄などのミネラルも玄米の方が数倍多く含まれている事が分かります。
ビタミンB類も同様に玄米は遥かに多く含まれています。
このように、白米だけでは食物繊維やミネラル、ビタミン類をほとんど摂取することができません。
そのため、不足している栄養素を補う為にコンビニなどでおにぎりを購入する時には、サラダを一緒に買われる人が多いのではないでしょうか。
確かに、サラダを加える事で不足している栄養素を補うことができ、カリウムやカルシウムについては生野菜であるサラダの方が多く含まれている事から、玄米に比べると多く摂取することができます。
しかし、その他のリンや鉄、ビタミンB類に関しては、サラダを加えても玄米の方が多く摂取できる事が分かりますね。
このように、おにぎり+サラダで栄養のバランスをとらなくても、玄米を食べるだけで、同じかそれ以上の栄養素を摂取することができます。
「寝かせ玄米」とは?
玄米がパーフェクトフードを言われる理由が分かったところで、今回取り上げる「寝かせ玄米」というのはどういったものかを調べていきます。
玄米だけではなく小豆を加えている点と、炊きたてを食べるのではなく、3日間保温し続ける点がポイントですね。
3日間も保温し続ける事で、水分が抜けてもちもちの食感になるそうです。
玄米というと白米よりも硬くてパサパサして美味しくないという事で苦手とする人も多いですが、寝かせ玄米にする事で食べやすくなるようです。
また、玄米の糠(ぬか)の部分には、酵素が豊富に含まれていて、その玄米酵素は熱に強く炊飯しても酵素の働きが失われず、また保温することで活性化すると言われています。
この酵素の活性化がもちもちとした食感にも繋がるようです。
酵素というと加熱したら失われてしまうので、フルーツでも野菜でも、なるべく生で食べるように言われますが、玄米の酵素は熱に強いということで驚きです。
そのため、「寝かせ玄米」のことを「酵素玄米」と呼ぶこともあります。
他にも「玄米酵素」や「発酵玄米」というものも同じものを指していると考えてよいでしょう。
「寝かせ玄米」は「結わえる」という会社の登録商標ですので、同じものを指していても他の会社では「酵素玄米」と呼んでいるようです。
「寝かせ玄米」はなぜ良いのか?
「寝かせる」ことで食べやすくなるという点はあるものの、その他に身体にとってはどのような効果が期待できるのでしょうか?
どのような点がダイエットに向いているのでしょうか?
酵素が摂取できる
私たちが生きていくために絶対に必要な酵素ですが、年齢とともに酵素が減っているということは最近の酵素ダイエットブームでご存じの方も多いと思います。
ビタミンやミネラルなど身体に必要な成分は酵素がなければ十分に働くことはできませんし、いくら栄養素をサプリなどで補給しても酵素がなければ効果は実感できないと言われています。
酵素は消化や代謝に使われますが、特に代謝として使われる酵素がダイエットには重要な働きをしてくれます。
食べ物を摂取すると消化酵素によって栄養は吸収されますが、その栄養素を身体のあらゆる細胞に届けるのが代謝酵素です。
代謝酵素に新陳代謝が促されたり、筋肉や、骨、皮膚などが作られたり、免疫力を高めたり、解毒作用があったり、まさに私たちが健康に暮らしていくためには欠かせない存在です。
ダイエットが上手くいかない原因の一つに、基礎代謝が落ちている事も考えられますが、それは酵素がしっかり働いていないからかもしれません。
玄米には酵素が多く含まれていますので、玄米を食べる事で酵素が摂取でき、代謝がアップして痩せやすい身体づくりに繋がるのではないでしょうか。
小豆をプラスする事で更に栄養価がアップ
パーフェクトフードの玄米ですが、小豆を加える事で更に栄養価がアップします。
それがたんぱく質、食物繊維、カルシウムです。
ゆで小豆100gあたりの栄養成分は以下の通りです。
炭水化物:24.2g
たんぱく質:8.9g
脂質:1.0g
食物繊維:11.8g
カルシウム:30g
「寝かせ玄米」を作る場合には玄米と小豆を同量混ぜて作る事はなく、小豆は玄米の5分の1程で十分のようです。
そのため、上記のゆで小豆100gの栄養成分が、そのまま先程の栄養成分表の玄米(炊飯)100gにプラスされる訳ではありませんが、同じ量に対して含まれる栄養素の割合としては、食物繊維もカルシウムも玄米よりも小豆の方が多いです。
5分の1になったとしても、食物繊維は2g、カルシウムは6gはプラスされますので、「寝かせ玄米」にすることで更に栄養価がアップする事は間違いありません。
小豆にダイエット効果やアンチエイジング効果あり
更に小豆にはサポニンという成分が含まれていて、脂質の代謝を促進したり、血中の余分な脂質を排出する働きがあると言われていますので、ダイエットや高脂血症などの生活習慣病の予防にも効果を発揮してくれそうです。
またポリフェノールも多く含まれていて、強力な抗酸化作用で活性酸素の働きを抑制し、体の老化を防ぎ、女性に嬉しいアンチエイジング効果が期待できます。
味の面でも、小豆のたんぱく質がアミノ酸化して甘味やコクが増し、玄米だけよりも食べやすくなるようです。
実際に「寝かせ玄米」を食べた感想
寝かせ玄米を実際に作ってみようと思いましたが、作る為には3日間程炊飯器が占領されてしまいます。
1人暮らしなら可能かもしれませんが、家族と暮らしているとなかなかハードルが高いので、ネット通販を利用して寝かせ玄米を購入して食べてみる事にしました。
今回は「ほんわかそわか」という会社の「酵素玄米」を注文しました。
出典:ほんわかそわか
自然栽培と手作りにこだわっているという事でこちらの商品を選びました。
「寝かせ玄米」を商標登録している「結わえる」という会社からももちろん販売されていますが、メディアで取り上げられた影響か、近日発送分は売り切れが多かったです。
先にも書きましたが、「寝かせ玄米」も「酵素玄米」も同じものを指していると考えてよいので、今回は「酵素玄米」で販売されている商品をレビューします。
ほんわかそわかの「酵素玄米おにぎり」
「ほんわかそわか」の酵素玄米は、食べやすいおにぎりの形の「おにぎりタイプ」とお茶碗1杯170gがパックにつめられている「ごはんタイプ」の2種類ありましたが、私は価格が手ごろな「おにぎりタイプ」を注文しました。
10個セットで税込2700円
これにクール便の配送料が1000円プラスされます。
注文して次の日には届きました。
このように真空パックで冷凍クール便で届きます。
冷凍保存ができて、いつでも食べたい時に食べられるのが手軽で嬉しいですね。
材料を確認しておきましょう。
シンプルな材料で、余分なものが入っていない事と、国産の材料が使われているという事で安心感がありますね。
解凍方法
普通、このような冷凍商品はレンジでチンするものが多いと思いますが、この酵素玄米は湯煎をして食べるように、パンフレットに書かれていました。
レンジで加熱すると酵素が破壊されてしまうという意見を耳にしたことがあるので、そのような理由から湯煎で作るようになっているのかもしれませんね。
水を張ったお鍋に真空パックされた酵素玄米をいれて沸騰させて5分ほど湯煎にかけます。
出来上がってお皿にだしてみると、私がこれまでに食べた経験のある玄米よりもかなり濃い色で、赤飯の小豆の色がもっと濃くなったような色でした。
もちもちした食感で甘味が強い
箸でくずしてみると、かなりもちもちして、粘りがありました。
赤飯を濃くしたような見た目ですが、食感はおこわのようなもちもちとした感じで、時々プチプチという食感もあり、味は小豆が入っているせいもあり、甘く感じます。
もちもちしているので、何度も噛む事で満腹感を得られるとも感じました。
玄米が苦手という方も、赤飯やおこわが好きな人はこの酵素玄米は食べやすく感じるのではないかと思います。
この「酵素玄米おにぎり」は1個110gで、お茶碗1杯よりも少ない量でしたが、良く噛むことで満腹感を得られたので、物足りなく感じる事はありませんでしたし、腹もちもよいように感じました。
110gでは物足りないと感じる方には「ごはんタイプ」170gもあります。
今まで玄米独特の味やパサパサ感、香りなどを苦手にしていた方は、それらの食べにくさが無くなっているので、この「酵素玄米」は一度試してみる価値ありかもしれません。
「寝かせ玄米」を取り入れるにあたって気になる点
体に良くて、ダイエットにも効果が期待できそうな「寝かせ玄米」ですが、気になった点がいくつかありました。
食べ過ぎ注意
美味しくて食べ過ぎてしまわないように注意する必要があります。
いくら栄養豊富でバランスがとれている食べ物でも、摂り過ぎはカロリーオーバーになってしまいますからね。
ただ、かなり満腹感がありますし、腹もちもよいので、他の健康食品や置き換えダイエット食品などに比べると、リバウンドで食べ過ぎたりという心配はないと思います。
炊飯器が占領されてしまう
「寝かせ玄米」は作るのに3日かかってしまうので、家庭で作るには家族の理解がないと難しいと感じました。
実際、子ども達に酵素玄米おにぎりを食べてもらったところ、白米の方が良いという意見でしたので、特に小さいお子さんのいるご家庭では取り入れるのが難しいかもしれません。
そんな時には、今回私が購入した真空パックの冷凍商品を売っている所もありますので、それらの通販を利用すると良いですね。
しかし、通販は手軽な面もありますが、コストがかかるというデメリットもあります。
毎日の生活に取り入れるためには通販ではなく自宅で作る方がコストが抑えられる
今回私が注文した「ほんわかそわか」はおにぎりタイプが10個で2700円でした。
1個あたり270円ということになります。
これを3食毎日続けると、1カ月30日間では25000円近くにもなってしまいます。
ちなみに、「結わえる」という会社の「寝かせ玄米 小豆ブレンド」の同じような価格です。
出典:結わえるオンラインストア
一番お得な48個セットでも1個あたりの単価は250円近くになります。
ただ、こちらは1パックが180gと量が多いので、全体の量で考えると「ほんわかそわか」よりもコストは抑えられそうです。
もし、玄米と小豆を購入して自宅で作る場合には、どのくらいのコストがかかるのかを、ざっくりですが計算してみたいと思います。
1人で1日玄米2合を消費するとします。
そうすると1カ月分では60合(6升)になります。
玄米は1合がおよそ150~160gですので、60合になると9000~9600gと、約9kgほどになります。
アマゾンで「無農薬玄米」で調べると、玄米3kgが3000円ぐらいですので、9kgでは9000円になります。
これに小豆をプラスする訳ですが、小豆は玄米の5分の1ほどの量で良いようなので、玄米9kgに対して5分の1の約1.8kgを1カ月で消費すると考えます。
同じくアマゾンで「無農薬 小豆」で調べてみると1kgで1000~2000円と幅がありましたので平均1500円で計算してみます。
すると1.8kgでは2700円位です。
玄米と小豆を合わせると1カ月で12000~13000円位になる計算になります。
玄米と小豆という原材料だけで比較すると自宅で作った方が半分のコストに抑えられる事が分かりますね。
自宅で作る場合には、更に塩、水、電気代、ガス代もプラスされますが、それらに1万円もかかる事はないと思いますので、半分とはまではいかないものの、通販よりもかなりコストが抑えられる事になると思います。
玄米も小豆も、お店によっては、もう少し値段の高い商品や逆に低い商品もあると思いますので、一概には言えませんが、自宅で作った方がコストパフォーマンスは良いと思います。
しかし、自宅で作るのが難しかったり、毎日ではなく週に何度かだけ「寝かせ玄米」を取り入れたいという方、コストはかかかってもいいから自宅で作る手間を減らしたいという方には、通販が便利でしょう。
「発芽玄米」と「寝かせ玄米」は違う
「発芽玄米」は玄米を水に浸し発芽させた状態の玄米で、「発芽玄米」だけで炊飯します。
「寝かせ玄米」は小豆と塩を加えて炊飯し、3日間保温する事で発酵しています。
名前は似ていますが見た目も違うものですので、同じものと勘違いしてしまいそうですし、どちらも体に良いではありますが、「寝かせ玄米」を食べたいという方は、「酵素玄米」や「寝かせ玄米」という名前のものをチョイスして下さい。
「寝かせ玄米」は太りにくく痩せやすい身体づくりに効果あり
「寝かせ玄米」は酵素、ビタミン、ミネラル、食物繊維と豊富な栄養素が含まれていて、更に小豆を一緒に炊く事で、アンチエイジング効果も期待できます。
ダイエットには成功しても肌がぼろぼろと言う事にならないように、ダイエットしながら若々しい体づくりができるのが、「寝かせ玄米」のメリットですね。
また、最近は糖質制限ダイエットも流行っていて、炭水化物を抜く人も多いと思いますが、炭水化物が好きで逆にリバウンドしてしまう人も多いと聞きます。
「寝かせ玄米」は炭水化物の量は白米と同じぐらいですが、白米や麺類に比べて栄養価が高く、食物繊維による老廃物の排出などのデトックス効果で体の調子を整えてくれたり、酵素による代謝アップ効果で太りにくい身体づくりにも役立ってくれることが期待できます。
また、腹もちが良いために、食べすぎ防止にもなり、同じカロリー、炭水化物の量を摂取していても、白米などよりも太りにくく、痩せやすくなるのではないでしょうか。
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