詳細が『女性セブン2015年1月8・15日号』に記載されているので、今回はその内容をご紹介したいと思います。
糖質制限と死亡率の因果関係
以下は愛し野内科クリニックの岡本卓院長の言葉です。
「2008年、アメリカ国立衛生研究所が発表した試験結果があります。1万人を対象にしたその試験によると、厳格な糖質コントロールを行って血糖値を下げたグループは、標準レベルの血糖コントロールを行ったグループに比べて21%も死亡率が高かったのです。
日本では、2013年に発表された聖路加国際病院内科医の能登洋先生による研究があります。約27万人のデータを分析した結果、糖質制限で糖質を1日の総摂取エネルギーの30%以下にした場合、60~70%にした場合に比べて死亡率が31%上がることがわかりました」
アメリカでの研究では糖質制限を行うと、死亡率が21%も上昇し、日本では31%も死亡率が上昇するとのこと。特に日本では27万人を対象にした研究結果ですので、統計学的にも十分信憑性のある数値なのではないでしょうか。
以上が結果で、次はなぜ糖質制限ダイエットを行うと死亡率が上昇するのかの分析内容です。
「糖質制限では炭水化物を控えるよう指南していますが、炭水化物を含む食べ物には糖質だけでなく食物繊維やミネラル、カルシウムなど体に必須の栄養素が含まれます。炭水化物を食べなくなることでそれらの摂取量が不足する。
また、炭水化物以外なら何を食べてもいいので、お腹を満たすために自然と肉を食べる量が増えます。ハーバード大学のデコニング博士らが4万人超を20年間追跡調査した結果、高動物性たんぱく質の食事をすると糖尿病の危険性が高くなるという論文を発表しています」
「偏った食事は健康によくない」というのは小さい頃からずっとお母さんに言われ続けてきたことですが、具体的にはたんぱく質ばかり摂取していると糖尿病の危険性があったりするんですね。
糖質制限は精神状態も不安定になる?!
また、『その「健康法」では早死にする』(扶桑社刊)著者で高須クリニック院長の高須克弥さんの話によると、糖質制限を行うと精神状態が不安定になるとのこと。
これは実際にオーストラリアで行われた24~64歳の肥満の人106人を、たんぱく質を積極的に摂取し糖質を抑えるグループと、炭水化物を多く食べるグループに分けて1年間追跡したデータらしいのですが、体重減少はどちらも平均13.7kg落ちたけれど、精神状態については、炭水化物を控えたグループに気分の落ち込みや不安が見られたらしいです。
糖質は脳に栄養を与えると言いますが、その糖質を抑え過ぎると脳から心へのダメージも起こるのでしょうか。
僕も実際にやったことがあるので分かるのですが、糖質制限ダイエットは確かに痩せれると思います。しかしやはりやりすぎはダイエット効果以上の弊害が出てくるので、糖質制限ダイエットを行う方は、やり過ぎに注意したいですね。
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