腸の働きを健康的に保てるかという点はダイエットでも重要なポイントになります。
そんな私たちの体の中でも大事な器官である腸にとって、有益な働きをするのではないかと期待されるスムージーがファミリーマートから販売されています。
この『サラダスムージー』には「サンファイバー」という食物繊維が含まれているそうです。
食物繊維は腸で善玉菌のエサとなり、腸内環境改善に役に立つ栄養素です。
最近では、食物繊維のひとつである難消化性デキストリンが様々なトクホ商品などに配合されていることからも分かるように、かなり注目されています。
この『サラダスムージー』に配合されている「サンファイバー」という食物繊維は「豆から生まれた食物繊維」と書かれていますが、果たしてどのような効能があるのでしょうか?
通常ファミリーマートで販売されている『グリーンスムージー』とはどのような違いがあるのでしょうか?
実際に飲み比べもして違いを検証してみたいと思います。
また、この『サラダスムージー』はファミリーマートと「ウンログ女子部」とのコラボで作られました。
「ウンログ女子部」とはどのような団体なのかについても調べました。
目次
「ウンログ」とは?
調べてみると「ウンログ」というのは会社の名前で、ホームページには世界の人々の健康をおなかの中から支えるというミッションのもとに活動していると書かれています。
出典:ウンログ
腸内フローラの生体への影響を解明し、人種を問わずパーソナライズされた「健康増進」、「病気の予防・発見」、「治療」の実現に貢献するサービスを提供しているという「ウンログ」は、2012年に「ウンログ」というアプリをリリースしています。
出典:ウンログアプリ
「ウンログ」は便の状態を記録する健康管理ヘルスケアアプリで、便秘対策やダイエットを支援していて、お腹スッキリ美人を目指す女性に人気のアプリだそうです。
ほかにも、腸内フローラ(腸内細菌の集まり)を調べる「腸内フローラ検査」サービスや、赤ちゃん(生後2週間~1ケ月)の便の色をチェックして病的なサインの判断の手助けをするアプリも運営しています。
このように、「ウンログ」という会社は、お腹の健康をサポートする活動を行っているようです。
えっ?という思うような会社名ではありますが、NTTドコモベンチャーズ、キャピタルメディカベンチャーズの支援を受けて事業を展開したり、大学や食品・製薬会社とディスカッションして新しい事業へ挑戦することもしています。
「ウンログ女子部」とは?
「ウンログ」を利用して腸活を実践する女子が集まるリアルコミュニティが「ウンログ女子部」になります。
腸活を通じた美容・健康に関する情報交換や、講師を招いて腸もみやウォーキングなどの「出る」アクティビティイベントなどを定期的に開催しているようです。
『サラダスムージー』は、腸について様々な活動を行っている腸活女子が集う「ウンログ女子部」のリアルな意見を反映して誕生した商品になるので、その効果にも期待が持てそうですね。
『サラダスムージー』の原材料
『サラダスムージー』はどのような原材料から作られているのでしょうか。
果汁(りんご、マンゴー、レモン)、果糖ぶどう糖液糖、グァーガム酵素分解物(食物繊維)/着色料(クチナシ)、安定剤(増粘多糖類)、酸味料、香料、甘味料(スクラロース、アセスルファムカリウム)
パッケージ正面にも書かれてあるように、35種類の野菜と果物が使われています。
肝心の「サンファイバー」という名前が見当たりませんが、「グァーガム酵素分解物(食物繊維)」と書かれている、この素材が「サンファイバー」のようです。
「サンファイバー」とは?
「サンファイバー」というのは「グァー豆」という豆から生まれた水溶性食物繊維で、「グァーガム酵素分解物」とも呼ばれています。
「グァー豆」というのは、インドやパキスタンで採れるグァーという食物の種子です。
「グァーガム」というのは、グァー豆から得られる多糖類を主成分とするもので、水に溶かすと少量でも高粘度になります。
これはアイスクリームなどの増粘多糖類として使われてきましたが、食物繊維としても有用であることが知られるようになりました。
しかし、水に溶かすと粘性が高く扱いづらいため、酵素で分解して高粘度にならないように加工したものが「グァーガム酵素分解物」です。
加工したのは「太陽化学株式会社」という会社で、「グァーガム酵素分解物」に「サンファイバー」と名前をつけているようです。
出典:太陽化学株式会社
「サンファイバー」の特徴
「サンファイバー」は水溶性の食物繊維のため水に溶けると粘性が高くなるという性質があります。
水溶性の食物繊維は便を柔らかくしてくれる
食物繊維には「不溶性」と「水溶性」の2種類の食物繊維があり、両方をバランスよく摂取することが望ましいと言われています。
水に溶けにくい「不溶性食物繊維」は便のかさ増しをサポートし、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」は便をやわらかくしてスムーズな排便を促してくれます。
食物繊維を摂取しているのに便秘に悩まされているという方は、「不溶性食物繊維」ばかり摂取しているのかもしれません。
「水溶性食物繊維」である「サンファイバー」は、便秘に悩む人たちの心強いサポートをしてくれるでしょう。
「サンファイバー」は酪酸生産量が高い
体の免疫細胞の7割は腸の上皮細胞にあると言われていて、その腸の上皮細胞を健康に保つことが体の免疫機能を支えることに繋がります。
腸の上皮細胞のエネルギー源になるのが「酪酸」という短鎖脂肪酸です。
腸内細菌は食物繊維をエサにして短鎖脂肪酸を作りますが、「酪酸」を作るのが得意な腸内細菌を「酪酸産生菌」と呼び、この菌が増えると「酪酸」が作られやすくなります。
「酪酸産生菌」が好むエサのひとつが「グァーガム酵素分解物」です。
つまり、
このように、「グァーガム酵素分解物」を摂取することで体に有益な成分が増え、免疫細胞を正常に保つことに繋がると考えられます。
ちなみに、「グァーガム酵素分解物」は同じ水溶性の食物繊維である「難消化性デキストリン」と比べて酪酸の産生量が多いという研究結果があります。
出典:太陽化学株式会社
「グァーガム酵素分解物」は「難消化性デキストリン」の倍の量の酪酸を産生することができるということで、同じ水溶性の食物繊維でも種類によってこのように効能に違いがあることに驚きました。
『サラダスムージー』と『グリーンスムージー』の飲み比べ
『サラダスムージー』には「サンファイバー」という体に有益な働きをしてくれる水溶性の食物繊維(「グァーガム酵素分解物」)が含まれていることが分かりました。
次は実際に『サラダスムージー』を飲んで、どんな味がするのかを確認したいと思います。
ファミマでは『グリーンスムージー』という商品が以前から販売されていますので、それと飲み比べをして違いを検証します。
原材料・栄養成分の比較
原材料と栄養成分の比較をしてみます。




サラダスムージー 230ml |
グリーンスムージー 200g |
|
---|---|---|
税込価格(円) | 198 | 178 |
原材料 | 野菜汁(ケール、さつまいも、にんじん、きゅうり、レッドビート、イエロービート、フェンネル、たまねぎ、アイスバーグレタス、だいこん、はつかだいこん、チンゲンサイ、ブロッコリー、キャベツ、チャード、スイスチャード、ニラネギ、グリーンリーフレタス、サニーレタス、カラシナ、わけぎ、ルッコラ、ロメインレタス、コリアンダー、コラード、ほうれんそう、ラシネートケール、レッドケール、ディル、パセリ、カリフラワー、タンポポ)、 果汁(りんご、マンゴー、レモン)、果糖ぶどう糖液糖、グァーガム酵素分解物(食物繊維)/着色料(クチナシ)、安定剤(増粘多糖類)、酸味料、香料、甘味料(スクラロース、アセスルファムカリウム) |
野菜汁(ケール、さつまいも、にんじん、セロリ、こまつな、パセリ、クレソン、キャベツ、ラディッシュ、ほうれん草、みつば)、 果汁(キウイフルーツ、りんご、レモン)、果糖ぶどう糖液糖、クチナシ色素、香料、酸味料、ゲル化剤(キサンタンガム)、安定剤(増粘多糖類)、甘味料(スクラロース、アセスルファムカリウム) |
エネルギー(kcal) | 94 | 83 |
たんぱく質(g) | 0.7 | 0.8 |
脂質(g) | 0.2 | 0 |
炭水化物(g) | 26.16 | 20.0 |
ー糖質(g) | 18.24 | 記載なし |
ー食物繊維(g) | 7.92 | 記載なし |
食塩相当量(g) | 0.14 | 記載なし |
ナトリウム(mg) | 記載なし | 41 |
内容量は『サラダスムージー』の方が少し多いようです。
野菜汁に使われている種類も『サラダスムージー』の方が多いですね。
内容量が多いためか、炭水化物量は『サラダスムージー』の方が6gほど多いです。
しかし『サラダスムージー』には「サンファイバー」が配合されているため、炭水化物の中に食物繊維が7.92g含まれています。
この量は1日の不足分の食物繊維量に相当するようです。
1日あたりの食物繊維摂取基準目標量は、成人男性で20g以上、成人女性で18g以上となっていますが、約7gは不足していると言われているようで、その分をこの「サラダスムージー」1本で補える計算になります。
日常的に食物繊維が不足していると感じている人たちにとっては有難いですね。
味の比較
2つを飲み比べてみます。
見た目はほとんど変わりませんが、『グリーンスムージー』の方が少し濃い色をしている気がしました。
とろとろする感じもほぼ同じだと思います。
味はどちらも甘くて、野菜嫌いの方でも飲みやすく仕上げられていると思います。
ただ、後味に違いがあり、『グリーンスムージー』の方は後味に苦みを感じました。
『サラダスムージー』には、そのような苦みがなく飲むことができます。
食物繊維を積極的に摂りたい方や、苦いのは苦手という方は、『サラダスムージー』を選ばれる方が良さそうですが。価格は20円ほど割高になります。
意外に糖質量が多いので注意が必要
ファミマの『サラダスムージー』には、サンファイバーという水溶性の食物繊維が豊富に含まれていて、腸内環境改善に効果がありそうだと分かりました。
確かに、1本あたり7.92gの食物繊維はとても魅力的ですが、一方で、18.24gの糖質が含まれているので、糖質制限ダイエットをしている方や、糖質の摂取を控えている方は注意が必要です。
ロカボが推奨する適正糖質は1食あたり20~40gですので、『サラダスムージー』だけではオーバーすることはありません。
しかし、これだけではお腹が満たされず、おにぎり(1個当たり糖質30g以上)やサンドイッチ(平均20g~30gの糖質量)を食べてしまうと、40gという基準は簡単にオーバーしてしまいます。
「サラダスムージー」を摂取する時には、なるべく低糖質のものをチョイスする方が良いでしょう。
例えば、同じくコンビニチェーンのローソンから販売されている低糖質の「ブランパンシリーズ」は糖質が低めなので、「サラダスムージー」と合わせても、1食分の適正糖質量をオーバーすることなく食べることができます。
「ブランパン」には食物繊維も豊富に含まれていますので、『サラダスムージー』とダブルで食物繊維が補うことがきますね。
自分にあった食物繊維をチョイスしよう
食物繊維に「不溶性」と「水溶性」という2種類があることをご存知の方は多いと思いますが、同じ水溶性の食物繊維でも今回紹介した「サンファイバー」と、様々なトクホ商品に配合されている「難消化性デキストリン」など、違う種類があることはまだまだ知られていないのではないでしょうか。
同じ食物繊維、同じ水溶性でも、それぞれの働きは少しずつ違うようですので、自分はどのタイプの食物繊維を摂取すればよいのかを考えて商品を選択する必要がありそうです。
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